「性差別だ!」と、大炎上となってしまったニュージーランドの安全啓発CM
先日、サッカーのワールド・カップでメキシコに勝利したオランダのKLM航空が、相手を小馬鹿にするような投稿をツイッターで行って大炎上とあいなりまし たのは、皆様の記憶に新しい所でしょうが…。今度はニュージーランド航空がやらかしてしまいました。飛行中の安全啓発CMを制作したのは良いのですが、起 用したスポーツ・イラストレイテッドのスーパーモデルの格好が余りにセクシーすぎるとして、これまた燃えまくり。遂には中止に追い込まれてしまったの ですって。
ニュース・コムauというサイトが報じています。
約4分間のビデオとして、YouTubeで500万回以上も再生されたまでは良かったのですが、署名運動サイトとして名高いchange.orgで1万人以上を集める大炎上となってしまいました。
署名運動を主導したメルボルンのナターシャ・ヤング氏に言わせると、この安全啓発ビデオは性差別主義的であり、「女性の性的なスタイルが強調されるようなやり方は好ましくない」なのだそうです。
「こ のビデオは体を隠すという戒律を守る宗教を信じている人には、完全に挑発的だと見なされるだろう。女性としてもっと注目されたいと思っている感受性の強い子供達やティーンエイジャーの娘さんへの影響を心配する親御さんにとっても頭痛の種となっている」と、署名を集めるに当たっての説明文に書いていま す。
「文化的な配慮に欠けたビデオでもある。性的な暴行を受けた人も乗客にいるだろうに、そうした人達や、生来保守的な人にとっても、この映像は不愉快な代物だ」
「ニュージーランド航空は、空がセクシーであると主張し、その為なら誰を怒らせようとお構いなしらしい」
もっとも、この啓発CMに好意的な人もいます。ツイッターなどで次のような主張があったからです。
楽園での安全を謳った#airnzsafetyvideoが性差別的な安全CMとの事だが、こういうビデオは未だかつて見た事が無かったぞ。 👍 http://youtu.be/SQDip9V49U0
反対論もあります。
Damien Halliwell @HalliwellDamien Follow
こんな下品で配慮に欠けるビデオを娘には見せられない。クック諸島(このビデオの収録現場)で男性がカヌーを使う場面を入れるというアイディアまでは良しとしても、何故そこに男女の性を持ち込むのだろう?#airnzsafetyvideo
そこまで大騒ぎする理由が分からないという人もいます。
以下の意見は女性から。
うーむ。
騒ぎとなったので、バイラルサイトとして有名になりつつあるバズフィードが取材に動きました。ニュージーランド航空の広報担当者は、オンラインで炎上したからビデオ放映を止めた訳では無く、初期の使命を達成したので流さなくしたのだと話しているそうです。
なお、スポーツ・イラストレイテッドのモデルを起用したのは、同誌の水着版が創刊50周年を迎えたので、それを祝う意図があったからだとしています。雑誌側にしたら、良い宣伝になると考えたのでしょう。
一方のニュージーランド航空は、こうした啓発ビデオの制作には熱心でして、往年のアメリカのコメディ女優であるベティ・ホワイトを起用したCM(Safety Old School Style)や、ホビットが出てくるCM(An Unexpected Briefing)などで評判を取った事もありました。
今回は、空振りになってしまった訳ですね。「人は時に、得意とする分野でチョンボをやってまう」という所かな。客商売は難しいで。